私の好きなもの 第一回『深夜に地元から都会へ向かう電車の中』

 今日から、私の好きなものについてダラダラと書いていこうと思う。これは、趣味とか好きな音楽とか、好きな食べ物とかではなく、 もっと感覚的に好きだなあ、風情があるなあと、キュンとした物事やエピソードを記録するものだ。今後書いていく中で、共感してくれる方々がいてくれたら嬉しい。

 

 まず、初回のテーマは『深夜に地元から都会へ向かう電車の中』である。このタイトルだけでなんとなく理解してくれる人もいるであろう。

 私は大学時代、よくこの状況になることが多かった。大学のサークルの深夜練のために大学の最寄り駅まで行ったり、好きなバンドやDJの深夜イベントに行ったりする時である。

 

 ここで大事なのが、ただ深夜に電車に乗っていることにワクワクするわけではないということだ。バイト終わりの帰り道の夜の電車、とかそういうことではない。家でお風呂に入ったり夕食を食べ、あとはもう寝るだけという状態になっているとする。普通だったらあとは布団に入って寝るだけである。しかし、なんとその状態から地元の駅までゆき、電車に乗って都会に繰り出すというのだ。飛んだ非日常である。このいつもと違う深夜の時間にワクワクするのだ。まさに生活に逆らっているんだもの。

 

 乗っている電車や路線はいつもと変わらないはずなのに、どこか雰囲気が違って見える。車窓から見える街の灯りがより一層キラキラして見える。さらに、遅い時間帯に地元からくだりに発車する電車は大体乗客が少ない。だからより異空間に感じる。

 

 私は水木しげるの作品『ゆうれい電車』が好きだ。 深夜に一人で電車に乗っている時、よくこの話を思い出す。そういうのも楽しい。実は幽霊列車だったとか、異世界に行ってしまうのではないか、とか。

 

 それから、深夜に電車に乗っている間に音楽を聴くのも楽しい。私はよく色々なテーマを決めてプレイリストを作る。その中で、「夜・都会」というプレイリストを作った。これがかなりのお気に入りである。めちゃめちゃイケてる気持ちになれちゃうんだよなあ。

 一度、何もない日の夜にこのプレイリストを聴きながらなんとなく電車に乗っていて、気づいたら横浜まで繰り出してしまったこともある。音楽から生まれる雰囲気ってすごいなあと思ったものだ。

 

 

 そんな感じで、「深夜に地元から都会へ向かう電車の中」は私にとって贅沢な時間である。最近は全くその体験ができてないからコロナが落ち着いたら深夜イベントに繰り出そうかなあ。